読書百冊意自通ズ覚書

読んだあと、何かしらの余韻を残していく物語たちを、みんなどんな風に読んでいるのだろう?The note of reading one hundred books makes you understand more clearly.

レヴィ=ストロース

レヴィ=ストロースが亡くなったらしい。100歳……ということは、今年生誕100年の太宰と同じ年ということか。 フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースが死去、100歳 - CINRA.NET レヴィ=ストロースの著作は読んだことがないけれど、高校生の時、橋爪…

子どもの宇宙

「子ども」とタイトルにもあるように、子どもについて書かれている本なので、子どもための児童文学書の引用がすごく多く、自分が全然読んでいないことにびっくりした。 タイトルだけは知っているものから、児童文学の世界では有名らしいけれど全く知らない本…

坊っちゃん

映画やTVなどでずいぶん映像化されているので、どうもそのイメージが強かったよう。そのどれひとつとして見たことはないのだけれど、断片的な映像を見て誤った情報としてインプットされていた。(それはインプットする時、自分で間違えていただけ) だって山…

レキシントンの幽霊

本格的な村上春樹の小説(短編集だけど)の覚書は初めてじゃないだろうか?まあそれだけ『ねじまき鳥クロニクル』の後のスプートニクなどが耐えられなかった[1]ということだろう。 この本を読む気になったのは、村上作品を読まなくなってしまう前の短編集だ…

ハリー・ポッターと謎のプリンス

初めてハリーポッターを映画館で見た 公式site: ハリーポッターと謎のプリンス 場所は新宿バルト9のシアター8。映画はあまり見ないので、フィルムがいいのか映画館がいいのかわからないけれど、画面がというより音がよかったような気がする。 内容はというと…

のだめカンタービレ #22

むきゃー!! 新刊が出ている!買わなくてはっっっ というわけで買って来た22巻。 千秋と自分がやりたかった演奏を、想像以上の形でRuiに実現されてしまって虚無感に襲われるのだめ。そこへ 「のだめちゃんがやりたかったこと、一度はやってみたいでショ」 …

ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック

とても読み易い小説以外は、小説より そうでないもの、、、、、、、の方がずっと読み易い、と最近思う。 長い間ほとんど小説を中心に読んできたので、そういうことに気づかなかった。もっとも、それは単に自分の想像力がひんこん、、、、だからというのにす…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

ハリーポッターの新作、謎のプリンスを見に行こう!ということになったのだけれど、前作“不死鳥の騎士団”を見ていなかったので見てみた。 途中(前作など)は、なんだかあんまり面白くないなあと思っていたのだけど、今回は面白かった。特に何がよかったとい…

イデアマスター―GLASS HEART

大まかにカテゴライズして、このグラスハートというシリーズは、「若木未生の中では一番好きな作品」で、とりあえず「出たら読む」に属している。藤本ひとみでいうところのKZ[1]です。この作家のメイン作じゃないんだけど、自分的にはヘタなメインよりこっち…

“神がかり”的な ― THE DARK KNIGHT

凱旋上映と銘打たれたダークナイトの再上映に行って来た。 よく考えたら、一人で映画を観に行ったのは初めてだ。映画がそれほど好きじゃないのだから、当然と言えば当然か。 衝撃的な死を遂げたヒース・レジャーの遺作となったダークナイト。 ちょっと期待し…

崖の上のポニョ

崖上のポニョを観て来た。間に合った~[:汗:] ジブリを映画館で観るのは二回目。「もののけ姫」以来。 崖の上のポニョ シアターは初めて行った新宿バルト9。ポニョはシアター3という、比較的小さめの劇場での上映だった。 バルト9はその名の通り9つの劇場が…

二十世紀を読む

山崎正和氏は本書で初めて知ったのだが、この人、すごい。大学院教授であり、劇作家ということ。評論の専門家らしい。 基本が、というか、ルーツが「劇作家」という、ひじょうに文学寄りの人なので、感覚的にも知識的にも、丸谷と相性抜群なのかもしれない。…

'THE SCRAP' 懐かしの一九八〇年代

村上春樹、覚書初登場。つまり、この覚書を始めてから一度も村上春樹を読んでいなかったということになる。ちょっと驚きの事態だ。[1] テーマごとにいちいちコメントしていると長いものになってしまうので、ここではいくつかピックアップして感想を書きたい…

小学生に授業

国際日本文化研究センターの教授が、小学生に自分の専門分野に着いて講義した授業記録が本書だ。 この『小学生に授業』をするという発想が面白いと思う。どんなに高名な大学教授でも (国際日本文化研究センター教授は、皆世界的権威ばかりらしい)「小学生…

衝撃的なあまりに衝撃的な - 氷室冴子氏の訃報

氷室冴子さんが逝去した。 訃報:氷室冴子さん51歳=作家 ニュースを知った友人からのメールで知らされた。 氷室さんの小説は、私にとって小説を読むこということの原体験だった。 ここで語るにはあまりに思い入れがありすぎて、多くは語れないけれど、本当…

やじきた学園道中記

安野モヨコが『監督不行届』で、 「あたしだってエロイカ[1] 一気読み!とかしたい!」 などと書いていて、 「そりゃーできるんならしたいもんだよ」 と思っていたけれど、今回実際一気読みしたのは『やじきた学園道中記』。 読んでいてあまりに面白くって、…

桜もさよならも日本語

国語読本[1]などという、何やら堅苦しい本なのに、さすがに丸谷、分かりやすく、興味深く書いて呉れた。 こんなに入り込んだ内容なのに、読んでいる間、全然立ち止まらずにすんなり進めるのは丸谷の手腕の賜物だろう。本当にこの人は文章が上手い。ほとほと…

世界の七不思議

世界の七不思議という本を、深く考えずに教養でも身につくかと思って手に取ったら、建物のことばかりが書かれていた。世界の七不思議って、建築物のことを言う[1]のだそうだ。知らなかった。 七不思議というとナスカの地上絵とかピサの斜塔だと思っていたけ…

日本語で一番大事なもの

すごい。としか言いようがない。 大野晋もすごいのだが、この人は自分の畑の話なので(それでもその分析や発想・発見、切口などなど、すごいのだろうけど)置いておくとして、丸谷である。 アナタは何者?だって研究対象はジョイス[1]だったはず。 以前、国…

四人の署名

なかなか面白かった。 物語の後半部分の、犯人の動機に至るまでの経過というのには、いつもながら驚かされる。 なんだってこんな話――特にそれまで過ごしてきた土地がイングランドから遠く離れていることへの驚き――になっちゃうんだ?という。 そしてまた、今…

ヴィヨンの妻

勝手に『ヴィヨンの妻』は中編小説だと思っていた。なぜなら、文庫の厚さが中編くらいだったから。短編だったのか。 太宰は短編の作家なのだと、ここまできてやっと納得した。(あんまり考えていなかった)おまけに、その短編というのが、同じような話――つま…

緋色の研究

新潮文庫でずっとシャーロック・ホーム ズのシリーズを読んでいたのだが、創元推理文庫でも出ていることがわかって探してみた。 手に取ってみるとなんと訳者が阿部知二なので、一も二もなくこちらで読むことにした。そしてやはり読みやすかった。 ここが読み…

晩年

総じて面白かった。 前回[1]の「富嶽百景」「東京八景」「帰去来」「故郷」と併せて、この「思い出」でさらに太宰のことがよくわかることができた。 「魚服記」もよかった。しかしキリシタンものはユダと併せて苦手なので、大河ドラマ風に想像して読んだ。そ…

バスカヴィル家の犬

シリーズ最長編がこの『バスカヴィル家の犬』である。 けっこうホームズって変人だよなと、回を追うごとに感じる。(もっとこう、高貴な紳士って感じなのかと思ってたのだ)世のシャーロキアン諸君は、ホームズのこの偏屈ぶりにノック・アウトされているのだ…

ウナギと山芋

どうやら本書『ウナギと山芋』は、あとがきを読んでわかったのだが、『遊び時間』[1]の3、ということらしい。なぁんだ、そういうことなのか、とホッとしてしまった。前作『遊び時間2』は非常に面白かったから、そういう雰囲気なんだろうと予測ができて、この…

英語を子どもに教えるな

『英語を子どもに教えるな』というタイトルに興味を引かれ、軽い気持ち(流し読みすればいいやという)で購入した。 英語(に限らず語学の)学習得には、幼い時期がより好ましいハズだという一般的な認識を持っていたし、その時「今更(今頃)語学の勉強など…

00-殺しのライセンス [007 カジノ・ロワイヤル]

上映中に映画館に観に行った友達によると、ダニエル・クレイグ扮する新・ジェームズ・ボンド君は中々よかった、ということだったので、新・ボンドはどんなもんぞや……とエンドロールまでつきあってみた。 公開前後の雑誌の下馬評でも、新・ボンド君の評価が中…

のだめカンタービレ #18

「なによ、千秋出て行くなんて…!」(感想) で終わった17巻。 千秋が出て行くことは、大した問題じゃないんですね……?さすがのだめ…… 千秋母が、「あの子ははあなたの天使なんだから!」(天使ー!?)に溜飲が下がった。 あと、面白かったのは、やっぱりシ…

蒼き炎のゴブレット - ハリー・ポッターと炎のゴブレット

言わずと知れたハリー・ポッターのシリーズ4作目、“炎のゴブレット”。 ちなみに、ハリポタは前3作全てレンタルで観ている。炎のゴブレットは映画館で観たかったんだけど、いつの間にか公開が終了していた。 最近のCG技術は相当素晴らしくて、本当にこういう…

文章読本

目からウロコがボロボロ!落ちた本書である。そのウロコをどこまで書き切れるかはなはだ疑問だけれど、言いたい事の中核くらいは何とかなるだろう。 第一章~第四章までは、いまいちピンとこないまま読み進めた。それは、外側はよく見えるけど、内側は曇りガ…