読書百冊意自通ズ覚書

読んだあと、何かしらの余韻を残していく物語たちを、みんなどんな風に読んでいるのだろう?The note of reading one hundred books makes you understand more clearly.

2004-01-01から1年間の記事一覧

アーサー王ロマンス

続けて読めばもっと理解も深まるだろうと思い、『アーサー王の死』の次[1]はこの本を読もうと決めていた。ある分野の本を統計的に読むと、それぞれの本が互いを補いあうので、理解を深めるにはとてもいい。[2] この順序についておいてよかったと、読み始めて…

アーサー王の死

これ以上ないくらい有名な、アーサー王の本を読もうと思ったきっかけは、下記の2つのマンガにある。 ひとつめは、高河ゆん著の『超獣伝説ゲシュタルト』。 このマンガに「ランスロット」が登場していて、他でもよく見かける名前だし、興味が引かれた。 ふた…

恐怖の谷

ドイル卿、加えて私の好きな翻訳者、阿部知ニ[1]氏。こういう組合せになると、訳がうまいとか下手とかいう事に気を取られなくていい。その先のところから始められる。 巻末の解説によると、 「内外を問わずドイルの長篇では『バスカヴィル家の犬』がもっとも…

『他人の顔』作品論 ─ 砂の城 ─

主人公である「ぼく」は、高分子化学研究所に勤める中年の男で、実験中、薬品を浴びて蛭の塊のようなケロイド状の顔になってしまう。 そして、顔を「喪失」してしまったぼくは、人々の対応の変化にとまどう。 自分は変わっていない。ただ顔を失くしたくだけ…

うたかた/サンクチュアリ

初めて吉本ばななを読んだ。 今まで何の理由もなく(というのは多少語弊があるけれども)避けていたのだけれど、友人が貸してくれ、まぁいいきっかけかな、と思って開いた。こんなことでもなければついに手に取る機会(タイミング)を失し、読まずじまいだっ…

愛は苦悩とともに─パーフェクト・ファミリー

ペニー・ジョーダンという作家は、ハーレクイン小説の作家なので、多くの作品を読んでいるわりに覚書には登場していない。 しかし彼女の作品の中でも、大型の長編小説が何作品かあり、これが通常のハーレクインシリーズとは違い「文芸書」と名打たれているだ…