読書百冊意自通ズ覚書

読んだあと、何かしらの余韻を残していく物語たちを、みんなどんな風に読んでいるのだろう?The note of reading one hundred books makes you understand more clearly.

2012-01-01から1年間の記事一覧

挨拶はむづかしい

挨拶に関するエッセイだと勝手に思っていたが、何のことはない、丸谷が今まで実際にしてきた挨拶集だった。 しかし、驚くくらい様々な場面で挨拶をしている。作家も丸谷くらいになると[1]、挨拶する機会も多くなるのだろう。かなり色々な人と交流があるのだ…

アムリタ/上下

吉本ばななの前回の覚書、『うたかた・サンクチュアリ』より、個人的にはずっと面白かった。妹の元恋人・竜一郎という人がうまく書けていたし、主人公・朔美の雰囲気も良かったと思う。メッセージ性みたいなものも感じられた。 このお話の、霊が見えるように…

シャーロック・ホームズ最後の挨拶

シャーロック・ホームズの作品もだいぶ読んでしまったが、いつ何時その作品をひも解いても、その楽しみというものが損なわれることがない。どんな時もホームズとワトソン博士に再び巡り会える楽しみを感じさせてくれる。だからこそ、世にはシャーロキアンな…

マイ・ロスト・シティー

冒頭の「フィッツジェラルド体験」で、本書の訳者・村上春樹がいかに優れた評論家でもあるか、証明されているように思う。作品を読む前に、その内容に驚かされ、感心させられてしまった。 むろん、タイトルに「体験」とあるように、極めて個人的な体験に基づ…