やじきた学園道中記
安野モヨコが『監督不行届』で、 「あたしだってエロイカ[1] 一気読み!とかしたい!」 などと書いていて、 「そりゃーできるんならしたいもんだよ」 と思っていたけれど、今回実際一気読みしたのは『やじきた学園道中記』。
読んでいてあまりに面白くって、「こりゃエロイカより一気読みに相応しいんじゃねーか」と安野モヨコ氏に言って差し上げたくなりました。 いや、エロイカも読み始めたら止まらないだろうけれども。
- 作者: 市東亮子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1984/07/01
- メディア: 新書
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なぜ突然やじきたかというと、先日漫画を整理した折り、
やじきたってどんだけ面白かったっけ?
と面白かったことには自信があるものの、つい読み返しだしたのが運の尽き。
今読むと、さすがに「番長連合」とか「総番」果ては「お仕え美少年忍者」とか(ぷぷぷ)、まぁ普通にありえね~感満載ではあるが、そんなことはどうでもいい!といわせるくらい勢いがあって、やっぱりめちゃくちゃ面白い。
タンカを切らせたらお江戸一のやじキタコンビが最高! 私はキタさん派だが(キタさんかっこいい~!!)やじさんもいい!と改めて思った。
まーいいコンビですよ、やじきたは。
難点をいえば、ちょっと人間関係が狭すぎるというところだろうか。
邪剣編で伊豆のかな&桃井に会ったり、一之介と剛と慎吾が少年院で一緒だったとか、久しぶりのせいなんだろうけど、赤目編はちょっとやりすぎだろう感が否めない。よくよく読んでると、藤本ひとみも真っ青じゃないかというくらいのスピンオフっぷりだ。
それから、もちっとどーにかならんのかと思うのが、最も暑苦しい男、ハーディ・レニアートン……暑い上にくどい!!
暑苦しいとはこの男のためにある言葉なのではないか。 粋で洒脱なやじきたコンビの隣で、ムダに濃ゆい。
しかも星の話で引っ張られて気になる。どっちにつくかわかんない七つ目の星って誰!剣持君?慎吾?まさかやじさん!?
とまぁ、本編とはカンケーないところに目が行ってしまったが……
本編とカンケーないと言えば、巻末の「やじきた小劇場」(もしくは中劇場)もめちゃくちゃ笑える。
空飛ぶクララ=姫御前にはわかっていても爆笑してしまった。 まさに「イッキ読み」にふさわしい。改めて納得した。
notes
[1] 言わずと知れた、青池保子先生の代表作『エロイカより愛をこめて』のこと。