'THE SCRAP' 懐かしの一九八〇年代
村上春樹、覚書初登場。つまり、この覚書を始めてから一度も村上春樹を読んでいなかったということになる。ちょっと驚きの事態だ。[1]
テーマごとにいちいちコメントしていると長いものになってしまうので、ここではいくつかピックアップして感想を書きたいと思う。
ヘルペスの話は勉強になった。ヘー。
次。「スティーヴィン・恐怖・キング」では、いきなり「丸谷才一さんの『好きな背広』というエッセイ集を読んでいたら」と始まるのでびっくりした。
村上は丸谷を読んでいるのか。それも、『好きな背広』というと、結構好きで読んでいるんだろうと思われる。それに、村上が他の本についてエッセイで取り上げるのは珍しい――それが日本人であれば尚更――と思うので、結論。村上春樹は丸谷才一が結構好きに違いない。[2]
それから、「ジム・スミス・ソサエティー」というのが面白かった。
ソサエティーというと、どうも池田理代子先生の『おにいさまへ』[3]なんだけれど、とにかくあちらでは(アメリカだけなのかヨーロッパでもなのかは不明)ソサエティというのはごくごく一般的らしい。
TVのニュースを見たり、小説を読んだり、映画やドラマを見ているだけではわからないことがたくさんあるものなのだ。
あと、アメリカの子供がコークに(あるいはペプシ・コーラに)ピーナッツを入れるというのも初耳だ。それも一般的だというから、やっぱりわからない。
以上。
それにしても、タイトルにもある通り80年代のことばかりで、いささか時代を感じてしまうなァ。カレン・カーペンターがまだ生きていたり(中で亡くなったことも記されている)、東京ディズニーランドがオープンしたばかりだったり、ゴースト・バスターズ話題の映画[4]だったり。
notes
[1] 実のところ(?)かなり村上春樹のファンで、卒論まで書いたというのに、異例の事態。
[2] 要するに自分が丸谷才一好きなので、嬉しい。
[3] ミス発覚。『おにいさまへ』はソサエティーではなく「ソロリティ」。根本的に言葉の定義がわかっていない証拠といえよう。ちなみに、『おにいさまへ』は、こんなストーリー。「互いに愛憎の念をむき出しにする上流階級の少女たちの姿を通して、上流階級の欺瞞性や家柄や血統にこだわることの愚かさを主人公の目を通して描写している。1991年にアニメ化。」by wiki
[4] それからロス・アンジェルス・オリンピックについての話題もあって驚いた。『笑う大天使』(川原泉著・白泉社刊)を読んだ時、ロス五輪なんてどんだけ昔だよと思っていたのに、ここではタイムリー。時代か。