読書百冊意自通ズ覚書

読んだあと、何かしらの余韻を残していく物語たちを、みんなどんな風に読んでいるのだろう?The note of reading one hundred books makes you understand more clearly.

2003-01-01から1年間の記事一覧

シャーロックホームズの事件簿

翻訳された外国小説を、最近以前にも増して読んでいる。そのせいか、文章の良し悪しというものが掴めるようになってきた気がする今日この頃。 しかしその、文章の良い・悪いというのが、 1. 翻訳者の力量による 2. 原作者の文章力による のどちらなのかとい…

ホテル・ニューハンプシャー/上下

たいていの名作がそうであるように、この本もわかるようなわからないようなこと (それは物語を読み進めていくうちに次第に鮮明になり、しまいにはすっかり理解される)が冒頭にこと細かに――そう、たいてい執いくらい入念に書かれているもの なのだ、なぜか―…

数学者の言葉では

新聞のコラムで本書について知った友人は、こりゃ面白そうだ、と思ってこの本を手に取ったという。確かに、話に聞くだに面白そうだ、と思って借りた。 数学者の道を目指したが、孤独や厳しさに負けてしまったハナのことや、「学問を志す人の性格条件」につい…

走れメロス

今まで読んだ太宰作品[1]は、どうやら晩年(後期)のものばかりだったようで、中期の作品が多いこの短編集で持っていたイメージがずい分と変わった。 晩年の作品に比べて、一言で言うとやる気を感じる。頭で考えていることよりも、心象が描かれているとでも…

ホルムヘッドの謎

始めの方をちょこっとだけ読み、そのままにしちゃっていた本書。なぜなら、『イギリスはおいしい』『イギリスは愉快だ』 [1]の方が面白かったからである。 しかしこの本で大発見!したのは、ロンドンを旅行していた際、個人的、ごく勝手に「島」と呼んでいた…

遊び時間2

2からいきなり読んでいるのは、友人が1を貸す前に「2」を貸してくれたからである。 たぶん、あの人の部屋のどこかには「1」があるのだらうけれど、例によつて例の如く、 他の本に埋もれて発見するのは至難の業、という状態なのでせう。本人に言はれなくつた…

大いなる眠り

フィリップ・マーロウの映画としては最も有名と思われる、“三つ数えろ(1946)”[1]の原作、『大いなる眠り』"The BigSleep" である。 ちなみにマーロウの一番の代表長篇といえば、やはり『長いお別れ』"The LongGoodbye" だろうか。この『大いなる眠り』もも…

光る源氏の物語

非常に興味深く、面白かった。 すごく不思議だなあと思ったのは、源氏が死んでから(光がこの世になくなってから)何かつまらない。この二人の対話がつまらないのではなくて、テクストの内容が変化して、それまでよりつまらなく感じる。これには驚いた。 だ…

はじめてお越しの方は必ずお読み下さい。

本ブログの注意点等です。ご確認ください。本ブログについてはこちらをどうぞ。 ■注意点■ 読書後の感想文なので、いわゆる「ネタバレ」的内容がほとんどです。まだ読んでいない方は要注意!厳密には書評ではありません。ネタバレがイヤな方はすみやかにこち…

ティファニーで朝食を

オードリー・ヘプバーン主演の映画、“ティファニーで朝食を”を思い出しながら読んだ。読みながら、ぼんやりとオードリーって可愛いなぁとイメージしていた。 でも訳者が書いているように、原作のホリー・ゴライトリーは"Moon River"なんて歌は歌っていないし…

覚書一覧

リンクがないものは今後アップ予定です。 『ティファニーで朝食を』T.カポーティ著 瀧口直太郎訳 『山といヘば川』丸谷才一著『光る源氏の物語/上下』大野晋/丸谷才一 共著 『遊び時間2』 丸谷才一著『ホルムヘッドの謎』林望著『文章読本』丸谷才一著『忠…

山といへば川

山といへば川 (中公文庫) 作者: 丸谷才一 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1995/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 書評がすごくおもしろかった!色々気づかされた。 文学は古典の流れを汲んでいるし、古典文学は文学の前・神話(「・書評…