読書百冊意自通ズ覚書

読んだあと、何かしらの余韻を残していく物語たちを、みんなどんな風に読んでいるのだろう?The note of reading one hundred books makes you understand more clearly.

[国内]-丸谷才一

半日の客 一夜の友

二人の対談が100回を超えていた(!!)ということが今回わかり、本当に驚いた。対談は何冊も読んでいるし、相当やっているだろうということは考えるまでもないけれど、100回を超えているというのはさすがに脅威の数字だろう。 そして真に驚くべきは、回数も…

文学全集を立ちあげる

まずびっくりしたのは、丸谷があまりしゃべっていない、ということだ。 まぁ丸谷もお年だし、オブザーバーとして考えていたのかな、と思うけれど、それにしてもびっくりするくらいしゃべっていない。今までの対談では、だいたい丸谷の様々な知識や見解が展開…

挨拶はむづかしい

挨拶に関するエッセイだと勝手に思っていたが、何のことはない、丸谷が今まで実際にしてきた挨拶集だった。 しかし、驚くくらい様々な場面で挨拶をしている。作家も丸谷くらいになると[1]、挨拶する機会も多くなるのだろう。かなり色々な人と交流があるのだ…

青い雨傘

つくづく思うのだけれど、丸谷は文章が上手い。こう、スッと入ってくる。 途中で少し難しい話題になっても、スッと入ってサラッと説明してまたスッと本論というか元に戻る、その辺りも絶妙だ。 文章の学問的なことはさっぱりなのだけれど、解説の鹿島茂氏に…

日本語のために

本書は昭和四十年代に盛んに取り上げられていた「国語改革」の動向というものを見、それについての丸谷才一氏の意見――当時の論調と氏の考える国語改革のあり方というもの――が書かれている本である。 日本語のために (1978年) (新潮文庫) 作者: 丸谷才一 出版…

二十世紀を読む

山崎正和氏は本書で初めて知ったのだが、この人、すごい。大学院教授であり、劇作家ということ。評論の専門家らしい。 基本が、というか、ルーツが「劇作家」という、ひじょうに文学寄りの人なので、感覚的にも知識的にも、丸谷と相性抜群なのかもしれない。…

桜もさよならも日本語

国語読本[1]などという、何やら堅苦しい本なのに、さすがに丸谷、分かりやすく、興味深く書いて呉れた。 こんなに入り込んだ内容なのに、読んでいる間、全然立ち止まらずにすんなり進めるのは丸谷の手腕の賜物だろう。本当にこの人は文章が上手い。ほとほと…

ウナギと山芋

どうやら本書『ウナギと山芋』は、あとがきを読んでわかったのだが、『遊び時間』[1]の3、ということらしい。なぁんだ、そういうことなのか、とホッとしてしまった。前作『遊び時間2』は非常に面白かったから、そういう雰囲気なんだろうと予測ができて、この…

文章読本

目からウロコがボロボロ!落ちた本書である。そのウロコをどこまで書き切れるかはなはだ疑問だけれど、言いたい事の中核くらいは何とかなるだろう。 第一章~第四章までは、いまいちピンとこないまま読み進めた。それは、外側はよく見えるけど、内側は曇りガ…

忠臣蔵とは何か

想像していたのとは結構違うところから書き出されていて、ちょっとびっくりした。 内容というよりも、構成部分のことだ。 御霊信仰のことも、カーニバルのこともよくわかるし、曽我物語から入っていくのもうまい(納得できるし)が、いかんせんこの曽我物語…

遊び時間2

2からいきなり読んでいるのは、友人が1を貸す前に「2」を貸してくれたからである。 たぶん、あの人の部屋のどこかには「1」があるのだらうけれど、例によつて例の如く、 他の本に埋もれて発見するのは至難の業、という状態なのでせう。本人に言はれなくつた…

光る源氏の物語

非常に興味深く、面白かった。 すごく不思議だなあと思ったのは、源氏が死んでから(光がこの世になくなってから)何かつまらない。この二人の対話がつまらないのではなくて、テクストの内容が変化して、それまでよりつまらなく感じる。これには驚いた。 だ…

山といへば川

山といへば川 (中公文庫) 作者: 丸谷才一 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1995/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 書評がすごくおもしろかった!色々気づかされた。 文学は古典の流れを汲んでいるし、古典文学は文学の前・神話(「・書評…