小学生に授業
国際日本文化研究センターの教授が、小学生に自分の専門分野に着いて講義した授業記録が本書だ。
この『小学生に授業』をするという発想が面白いと思う。どんなに高名な大学教授でも (国際日本文化研究センター教授は、皆世界的権威ばかりらしい)「小学生」に教えるというのは、いささか難しいことだろう。
それぞれの授業は面白かったけれど、印象的なことは、生徒に話しかけ、質問し、生徒に発言させたり、考えさせる時間を作りながら進める先生と、自分の授業内容をずっと話して聞かせる先生(時間の制限があるせいだろうとは思うが)に分かれていたこと。比率としては半々くらいだった。
もちろん個人的には前者の方が好きだ。個人的に好ましいというだけでなく、小学生とっても、よくわかって、面白かったんじゃないだろうか。
内容も、生徒と共に授業する先生の方が良かった気がする。
河合隼雄、梅原猛の両氏は生徒とコミュニケーションを図りながら授業を進めていて、さすが。俳句の芳賀徹先生は面白かった。交渉の木村汎(きむらひろし)先生の授業は私も大変勉強になりました。
こういう授業を受けられる小学生は果報者です。私も参加したい。