[国内]-太宰治
勝手に『ヴィヨンの妻』は中編小説だと思っていた。なぜなら、文庫の厚さが中編くらいだったから。短編だったのか。 太宰は短編の作家なのだと、ここまできてやっと納得した。(あんまり考えていなかった)おまけに、その短編というのが、同じような話――つま…
総じて面白かった。 前回[1]の「富嶽百景」「東京八景」「帰去来」「故郷」と併せて、この「思い出」でさらに太宰のことがよくわかることができた。 「魚服記」もよかった。しかしキリシタンものはユダと併せて苦手なので、大河ドラマ風に想像して読んだ。そ…
今まで読んだ太宰作品[1]は、どうやら晩年(後期)のものばかりだったようで、中期の作品が多いこの短編集で持っていたイメージがずい分と変わった。 晩年の作品に比べて、一言で言うとやる気を感じる。頭で考えていることよりも、心象が描かれているとでも…