[国内]
どうやら本書『ウナギと山芋』は、あとがきを読んでわかったのだが、『遊び時間』[1]の3、ということらしい。なぁんだ、そういうことなのか、とホッとしてしまった。前作『遊び時間2』は非常に面白かったから、そういう雰囲気なんだろうと予測ができて、この…
『英語を子どもに教えるな』というタイトルに興味を引かれ、軽い気持ち(流し読みすればいいやという)で購入した。 英語(に限らず語学の)学習得には、幼い時期がより好ましいハズだという一般的な認識を持っていたし、その時「今更(今頃)語学の勉強など…
目からウロコがボロボロ!落ちた本書である。そのウロコをどこまで書き切れるかはなはだ疑問だけれど、言いたい事の中核くらいは何とかなるだろう。 第一章~第四章までは、いまいちピンとこないまま読み進めた。それは、外側はよく見えるけど、内側は曇りガ…
想像していたのとは結構違うところから書き出されていて、ちょっとびっくりした。 内容というよりも、構成部分のことだ。 御霊信仰のことも、カーニバルのこともよくわかるし、曽我物語から入っていくのもうまい(納得できるし)が、いかんせんこの曽我物語…
タイトルの通り、本書は2003年4月に出版された村上訳のサリンジャー著『キャッチャー・イン・ザ・ライ』について語られていて、『キャッチャー』とサリンジャー以外の事については一切書かれていない。 『キャッチャー』出版の直前に「泣く泣く巻末から外す…
基本的には翻訳をやりたい人(又はしている人)向けの本だ[1]ったと思う。 もちろん、翻訳する、、わけではなくても、興味があったり、翻訳小説をよく読んだりする人であれば興味深く読める内容だろう。 このように実際翻訳を――特に小説の、ということになる…
続けて読めばもっと理解も深まるだろうと思い、『アーサー王の死』の次[1]はこの本を読もうと決めていた。ある分野の本を統計的に読むと、それぞれの本が互いを補いあうので、理解を深めるにはとてもいい。[2] この順序についておいてよかったと、読み始めて…
主人公である「ぼく」は、高分子化学研究所に勤める中年の男で、実験中、薬品を浴びて蛭の塊のようなケロイド状の顔になってしまう。 そして、顔を「喪失」してしまったぼくは、人々の対応の変化にとまどう。 自分は変わっていない。ただ顔を失くしたくだけ…
初めて吉本ばななを読んだ。 今まで何の理由もなく(というのは多少語弊があるけれども)避けていたのだけれど、友人が貸してくれ、まぁいいきっかけかな、と思って開いた。こんなことでもなければついに手に取る機会(タイミング)を失し、読まずじまいだっ…
新聞のコラムで本書について知った友人は、こりゃ面白そうだ、と思ってこの本を手に取ったという。確かに、話に聞くだに面白そうだ、と思って借りた。 数学者の道を目指したが、孤独や厳しさに負けてしまったハナのことや、「学問を志す人の性格条件」につい…
今まで読んだ太宰作品[1]は、どうやら晩年(後期)のものばかりだったようで、中期の作品が多いこの短編集で持っていたイメージがずい分と変わった。 晩年の作品に比べて、一言で言うとやる気を感じる。頭で考えていることよりも、心象が描かれているとでも…
始めの方をちょこっとだけ読み、そのままにしちゃっていた本書。なぜなら、『イギリスはおいしい』『イギリスは愉快だ』 [1]の方が面白かったからである。 しかしこの本で大発見!したのは、ロンドンを旅行していた際、個人的、ごく勝手に「島」と呼んでいた…
2からいきなり読んでいるのは、友人が1を貸す前に「2」を貸してくれたからである。 たぶん、あの人の部屋のどこかには「1」があるのだらうけれど、例によつて例の如く、 他の本に埋もれて発見するのは至難の業、という状態なのでせう。本人に言はれなくつた…
非常に興味深く、面白かった。 すごく不思議だなあと思ったのは、源氏が死んでから(光がこの世になくなってから)何かつまらない。この二人の対話がつまらないのではなくて、テクストの内容が変化して、それまでよりつまらなく感じる。これには驚いた。 だ…
山といへば川 (中公文庫) 作者: 丸谷才一 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1995/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 書評がすごくおもしろかった!色々気づかされた。 文学は古典の流れを汲んでいるし、古典文学は文学の前・神話(「・書評…