うたかた/サンクチュアリ
初めて吉本ばななを読んだ。
今まで何の理由もなく(というのは多少語弊があるけれども)避けていたのだけれど、友人が貸してくれ、まぁいいきっかけかな、と思って開いた。こんなことでもなければついに手に取る機会(タイミング)を失し、読まずじまいだったことだろう。
「うたかた」は読んでいてとても初期の作品だな、と感じさせる文章だった。
このままこの調子で行くのかとも思ったが、「サンクチュアリ」で成長の跡が見えたので、なるほど「うたかた」はたいぶ初期[1]に書いたのだと気がついた。
しかし、全体を通じて感じた吉本ばななに対する感想としては
なんて文章が すかすか なんだろう!
である[2]。……。……。
説明、というか弁明をつけ加えるなら、今言ったことはハタから見ればどう考えてもマイナス的な事だし、事実そういう側面もあるのだけれど、つまりそういう事は抜きで良い悪いではなく、それが彼女のスタイルなのだ、という事です。
ぜえはあ。
でも「そういう側面もある」と言った、舌の根も乾かぬうちにだけど、これが直木賞作家かぁ…とは、思った。
ええ、思いましたとも。だって本当にすかすか過ぎて、一体どこに感動とか読みごたえとか感じていいのか、全然わからなかったのだ!(逆ギレ?)
でも現代の[3]流行というか流れは、こういう作風に皆、感動したりするのかもしれない。
恩師がよく、最近売れている本を読まなくちゃいけないと思うんだけど、辛くて読んでいられないと仰っていた気持ちが少しわかった気がした。
そりゃ読めないだろう、彼女にこの本は。
notes
[1] 初期も初期、なのだろう。
[2] 全国の吉本バナナファンの方々、本当にすみません。あくまで個人的感想ですので。
[3] とはいえ吉本ばなながブームになったのはもう大分前のことだが。