読書百冊意自通ズ覚書

読んだあと、何かしらの余韻を残していく物語たちを、みんなどんな風に読んでいるのだろう?The note of reading one hundred books makes you understand more clearly.

のだめカンタービレ #23 - The Last Lesson

 最終巻!?

 

 11/27に新刊が出ることはAmazonで見て知っていたけど、朝ラジオCMで
「感動のフィナーレ!」
的なセリフを耳にして、びっくりしながら本屋へ向かい… 最終巻だった。
 そろそろ終わるだろうとは前巻22巻でも思ったけど、続き1冊で終わるとは……!完全なる想定外。
 あの展開で後1冊で終わらせられんのか!?
 と思いながら開いた。
 結論からいうと、

 

 終わっては、いた。


 のだめがセンチメンタル☆ジャーニーから三善ハウスに帰り、ヤドヴィと音楽を楽しんで…までは悪くない。
 でもそこから、千秋が現れ、のだめの演奏に感動して…の下りが、

 ああ…終わらせようとしている…

 感、満載な気がした。
 それでも、もう一度読み返してみて、まぁこれはこれでよくまとまっている、と言えるのかもしれない、と、思った。
 ここで終わらせないとどこまでも続けられるし――これからコンクールとか、オクレール先生の思惑とか、ミルヒーサイドとか、黒木くんとターニャとか、ネタはいっぱいある――区切りとしては十分アリなところなのかもしれない。
 ということで、
 一読目:★★★☆☆
 と思ったけど、
 二読目:★★★★☆
 でいっか、という気も、した。

 でも、こんな風にいきなりさくさくさくーっと終わらされて、さすがに拍子抜け感は否めない。
 前21、22巻で、のだめが暗黒スパイラルにはまったところ、すごくよく描けていたと思うので、なおさらだ。
 よくここまで深いところまで描いたな、と感心していたし、それだけに、のだめがこの底からどうやって這上がってくるんだろう、というところにものすごく関心を持っていた。それがクライマックスになるところだろうと、予測していたのだ。

 音楽に対して、正面から向き合ったら挫折して、でもあと一歩のところまできている。ここから掴み取るだけ、というところこだったと思う。
 これがのだめと千秋の恋愛マンガというなら、そんなところにウェイトを置かなくていいのだろう。
 でもそれだけじゃなかったはず。(と思いたい)
 それなのに、

 のだめが掴み取るところがほぼまったく描かれてなくて、千秋のモノローグ解説で終わっちゃった。

 と、私には読めた。
 あぁ…なんて残念な終わり方なんだ…!!

 八割方、いいと思うんですよ。こういう終わりもアリかなってさ。

 でも、そこだけはちゃんと描いて欲しかった~~

 

 それにはこの1冊では、やっぱり無理だったと思う。

 2台ピアノで始まりのモーツアルトを千秋と弾くのも、いいエピソードだけどさ。
 でも、のだめの壁を千秋に語らせて終るとは…
 結局、主人公は千秋だったってことか?


 ここまで書いたのに、もったいないなぁ

 というのが、正直な感想である。
 作者の体調不良とかで、なんとか終わらせたかったのか?と思ってしまうほど。
 23巻かけて終わりがこれか…
 いいシリーズだし、面白くて大好きだし、最後がこれ、本当にもったいない……

 しかし、なにはともあれ、超大型漫画がまたひとつ完結しました。
 クラシックの世界に誘ってくれる、名作として残っていくことでしょう。

のだめカンタービレ(23) (KC KISS)

のだめカンタービレ(23) (KC KISS)