読書百冊意自通ズ覚書

読んだあと、何かしらの余韻を残していく物語たちを、みんなどんな風に読んでいるのだろう?The note of reading one hundred books makes you understand more clearly.

アムリタ/上下

吉本ばななの前回の覚書、『うたかた・サンクチュアリ』より、個人的にはずっと面白かった。妹の元恋人・竜一郎という人がうまく書けていたし、主人公・朔美の雰囲気も良かったと思う。メッセージ性みたいなものも感じられた。

 このお話の、霊が見えるようになっちゃった弟・由男や、霊を慰めることができてしまうさせ子、、、、朔美自身が頭を打って記憶を亡くしたことや、美しい妹を亡くしたことなんかが、きっと読者を癒すんだろう。
 
 そう理解するものの、個人的な感想としては、そういう部分にあまり興味は持てなかった。それはどこに理由があるのか、よくわからない。好みの話じゃないのかもしれないし、ピンとこないというヤツかもしれない。一つには、文章が軽すぎるとは言えるだろう。読みやすくていいけれど。
 
 そんな感想抱きつつ、一通りベストセラー作を読んだら、「吉本ばなな論」を読んでみるのがいいのかもしれないと思った。この作家からみんなが何を感じ、受け取っているのか、新しい側面から紐解けるかもしれない。
 
 人がどう読むか。それが知りたいから、この覚書を続けている。 
アムリタ〈上〉 (新潮文庫)

アムリタ〈上〉 (新潮文庫)

 
アムリタ〈下〉 (新潮文庫)

アムリタ〈下〉 (新潮文庫)