読書百冊意自通ズ覚書

読んだあと、何かしらの余韻を残していく物語たちを、みんなどんな風に読んでいるのだろう?The note of reading one hundred books makes you understand more clearly.

2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

恐怖の谷

ドイル卿、加えて私の好きな翻訳者、阿部知ニ[1]氏。こういう組合せになると、訳がうまいとか下手とかいう事に気を取られなくていい。その先のところから始められる。 巻末の解説によると、 「内外を問わずドイルの長篇では『バスカヴィル家の犬』がもっとも…

『他人の顔』作品論 ─ 砂の城 ─

主人公である「ぼく」は、高分子化学研究所に勤める中年の男で、実験中、薬品を浴びて蛭の塊のようなケロイド状の顔になってしまう。 そして、顔を「喪失」してしまったぼくは、人々の対応の変化にとまどう。 自分は変わっていない。ただ顔を失くしたくだけ…